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井上雄彦先生「承」 額装作業 表粋会活動 平成25年10月6日 [活動報告]

10月6日(日曜日)


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圧巻の井上先生の本紙が我々の目の前に現れました。貴重な作品を目の前で見て触れて感じることが出来るのは、表具師の特権といえるでしょう。



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前回上張りをした額装において仕上がりのイメージを確認。額装は展示用の仮の仕立てをしています。本来の額装の仕立て方とは今回は違っていますのでご注意ください。




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肌裏打ちの作業。敷紙を湿りを入れながら平らに伸していきます。



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その上に本紙を置いて、紙の裏面に自然に湿りを入れていきます。焦りは禁物です。じっくり時間をかけて、湿りを本紙に移行させていきます。こうすることによって本紙を自然な形で伸ばしてやることができます。



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大分平らに伸びてきました。まだまた待ちます。


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糊の濃度には充分注意します。後で巻子に仕立ることを考慮して、濃すぎずかといって薄すぎずといった絶妙な濃度で御願いします。



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かなり待って本紙が充分伸びたところで、裏打紙に糊をつけます。まずは肌裏。ムラなく均等につけてください。



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長いものなので二人で持っていって、


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一気に打ちます。



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敷き干し。糊を固定するために自然乾燥させます。敷き紙ごとひっくりかえして、


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敷き紙を剥がせば、


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肌裏打ち、完成です。うまくいきました。



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額の裏側。縁を内側から小さなビスで固定しました。通常釘で留める場合が多いようです。



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裏を張り込みます。縁までかけて張り込みます。



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よく撫でこみます。縁の上はよく撫でてください。



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肌裏が完全に乾燥したところで、もう一度湿りを入れて伸ばします。増裏打ちの工程です。




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本紙に湿りを入れながら、裏打紙に糊をつけていきます。




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平井さんの手。絶妙な加減で紙を押さえる。



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みんなで糊をつけます。



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慎重に持っていって、


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手早く打ちます。




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廻り糊をつけて、敷紙ごと、仮張りの上にのせて、


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ひっぱらずにその場につけてやります。そして乾燥させます。



待ちます。




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大分乾燥してきました。



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充分乾燥したところで仮張りから、剥がします。本紙の周りを切って額に張り込みます。



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均等になるように位置を微調整します。少し動かしては寸法を確認。確実に測って下さい。



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位置決めの定規を動かないように固定している人たち。カメラ目線です。


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位置を合わせて額に張り込みます。


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薄手の和紙を当て紙にして撫でこみます。丁寧に撫でこみます。



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張込みが終わりました。この形で伊勢神宮を初め、全国の神社に展示されることになります。



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額の裏です。滅多に見られない裏側です。



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吊金具の位置を打ち合わせする、勝村さんと稲崎さん。


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吊金具と紐をつけたら完成です。ありがとうございました。




10月19日より、伊勢神宮にて展示されます。本物だけがもつ迫力をどうぞご覧ください。



表粋会活動 平成25年 10月6日 [活動報告]

10月6日(日曜日)
於・東京都城東職業能力開発センター江戸川校実習室(江戸川)



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挨拶と本日の内容についての説明です。




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各々制作したパネルや額を最終点検です。



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きれいに仕上がっています。



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額の最終仕上げです。



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画帖の再構成です。頁を切ってつなげて、文字にすると簡単そうですが実は大変なんです。




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本紙のみの作品の裏打ちをいたします。



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みんなでバンバン打っていきます。この後、肌裏が乾いたら、増裏を打ちます。



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本紙の周りの喰裂を残して裏打ちして欲しいという要望に答えるべく、最高のパフォーマンスを見せる、勝村さん






表粋会活動 平成25年9月23日 井上雄彦先生 額装作業 [活動報告]

9月23日(月曜日・祝日)
於・東京都職業訓練校(浮間舟渡)


伊勢神宮の式年遷宮行事に奉納されます、井上雄彦先生の水墨画「承」。表粋会として巻子に仕上げるという作業をさせて頂けることになりました。一表具師として歴史的文化的行事に携わることが出来るのは何よりも光栄なことであると同時に個々の大きな励みとなります。

奉納時は巻子(巻物)の形となりますが、奉納に先立ちまして展示、全国の著名神社にての巡回展も予定されており、まずは展示用の額装の制作作業となりました。



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こちらが額装用の裂地です.森のイメージとのこと。


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こちら額装(七尺三寸くらい)の裂取りです。これを裏打ちして表張りいたします。



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裂の糸取り。地味な作業だからこそ重要。手が荒れていると絡みつきます。


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裏打ちの支障になりますので、塵等には細心の注意をいたします。



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裂と肌裏の紙を裁断し、裏打ちの用意ができました。


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裏打ち用の紙に糊を掠れぬように溜まらぬように注意深くつけて下さい。


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坂本さんが裏を打ちます。糊をつけた紙をゆっくり持ち上げて裂の上に皺にならないようにおきます。


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一枚目の裏打ちが済んでいます。紙巾の関係で三枚で打つことになりました。



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二枚目の糊付けです。同様にむら無く糊をつけます。



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糊をつけた和紙はとてもデリケートなので、掛け竹にのせて、ゆっくり持ち上げます。


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裏打ち紙のゴミは丁寧に除去してください。


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裏打ちが完了しました。裏返して確認します。


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確認後、仮張り。仮張りの長さが足りないので、後ろに曲げてあります。こういうやり方もあります。



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額装の下張り用の袋に糊をつけます。



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袋を張っていきます、丈があるので椅子に乗っかって作業をしています。



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乾燥した裂を剥がして袋を張った額装下地に表張りいたします。




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額装下地の上張り中です。
この後、本紙を張り込むなどして、展示できる状態になるわけです。

額装の仕立は10月6日に行います。


10月19日より、伊勢神宮にて展示されます。是非ご覧下さい。また遠方の方でも巡回展でお近くの神社に展示されることもございます。足を運んでいただけたらと思います。


巻子の仕立は巡回展が終わった後となります。



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