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表粋会活動 平成24年 2月12日 [活動報告]

2月12日(日曜日)
於・東京都職業訓練校(浮間舟渡)
参加・伊東、稲崎、高橋、勝村、平井、金子、春原、野口、野口(麻)、日野、坂本、関口、阿部、阿部(崇)、石塚(敬称略)


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本日屏風の作業、削りと羽根付けの予定となっております。



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稲崎さん秘伝の合差(アイサ)。昭和49年の新聞で出来てます。ヴィンテージものです。



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金子さん扇面の裏打ち剥がしです。この後通称ポロポロ作戦に移行してました。



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伊東さんの掛軸を解体しています。裏から星突きで上げ裏の紙を切っておきます。表から少しづつバラしてください。



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春原さんの屏風の上張り。このように立てて乾燥させると捩れが防止できるとのことです。



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蓑押さえの終わった屏風の骨です。



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台が不良の場合。わかりにくいですが、頭を落とすと仕上げとしては使えない。頭と中間と尻を、同じ高さに揃えてください。



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平井さんによる、逆目を止める原理の解説。鉋屑を戻してやることによって、捲くれ上がるのを押さえる効果があるとのことです。



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まず、角を止め型を使ってきれいに落とします。



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全体のチリをみて、見付に下穴を錐で開けて一寸の釘で留めます。仮固定なので抜きやすいように釘の頭を少し残しておいて下さい。対角線に四ヶ所固定します。



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竪框の通りをつけます。



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転びのないように確認します。



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対角線の長さも両方確認して、ゆがみを調整します。



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定規を使って通りを確認します。




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羽根の内側の見付のチリの出っ張りを当て紙をして、ヘラでしごく作業。非常に重要な作業です。



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羽根の割付を決めて、薄く鋸目を入れます。今回、丁番(ちょうつがい)と半番(はんつがい)にしてみました。丁番は羽根が偶数になります。通常このくらいの大きさですと四枚。全体を1/3に割り両端をさらに1/2にしたものを持ってきます。羽根の大きさは端から全体の長さの1/6・1/3・1/3・1/6となります。半番は羽根が奇数になります。五枚羽根にしてみます。全体を1/4に割り両端をさらに1/2にします。羽根の大きさは端から全体の長さの1/8・1/4・1/4・1/4・1/8となります。実際はうまく割り切れないこともあるので、微妙に調整してください。中心がずれることのないように注意してください。



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小口張り用に薄美濃紙を裁てて、喰裂にしておきます。



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仮留めの釘を抜いて耳をすきます。框の見付に何度も重ねて張った紙の段差をサルの内側におさまるように平らにすいてください。



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すいた後は堅木で擦って滑らかにします。通常刃物の柄の部分で擦ったりするのですが、特別に専用の道具を使用しています。だるまおとしにも使えるようです。



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小口張りの作業。薄美濃で框をくるむように張ります。木目が透けるのを防ぎまた接着も良くなるとのことです。



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もうひとつの方も割り付けます。



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羽根付け、まず屏風の表(内側)の見付に平らに貼り付けます。紙は本石州の厚口を使用しています。二枚とも同じように張って下さい。



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框の鋸目に合わせて、直角に羽根を切ります。



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余分な羽根を切り落とします。重ねたときに交互になるように間違えないように注意してください。



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羽根がついたところ。わかりにくいですが五厘ほどチリをとって羽根を起こしておきます。



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重ね合わせ合差(アイサ)をはさみ、釘で仮留めして羽根をつけます。框の内側の羽根を隣の框の外側の見付へと交互につけていきます。当たり前ですが框の見込に付かないようにしてください。



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羽根の上にベタを張ります。同じ紙を使用し、見込につける前に充分隙間に入るようにヘラで押しながら張ります。羽根の内側のチリの部分と羽根に密着するようにしてください。



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こちらは羽根の大きさの紙を用意しておき、一枚づつ張る方法です。オーソドックスなやり方といえます。



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重ねて仮留めして、羽根をつけます。この時点では合差を挟み込んでいません。



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羽根をつけてから、合差を挟み込み、合差の分のチリを出します。羽根をあらかじめ起こしておく方法とこのように後で合差の厚みで羽根のチリを出す方法があります。どちらとも重要なのは羽根が内側の框の見付の際からほんの少し逃げていること。見付の際まで羽根が付いている場合、表面に張るものの厚みによって屏風を閉めることが出来なくなります。



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今回、手触りで選ばれた合差。表面2.00mmです。



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裏面は薄いほうの合差を抜きますので、裏面1.50mmの合差を使用することになります。




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羽根の内側の見付のチリから羽根の内側によく密着させてあるのがわかります。




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小口張りを乾燥中。羽根がつくと一段と屏風らしくなりました。




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もう一方の合差も角度の関係で写真では違って見えますが、1.90mmでした。




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裏面に使用する合差を新しく折りました。枯れてつぶれていない分を考えて1.60mmで折ってみました。挟み込んだ後は1.50mm。



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屏風を逆折りにして、最初よりも薄めの合差を入れて、返しベタをします。




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作業完了です。次回は袋と上張りの予定となっております。



タグ:合差 屏風 羽根
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